「来月クリスマスだから、今からインフルエンサーを探そう」。これは遅すぎます。インフルエンサーマーケティングは農業です。種(選定)を撒き、水(関係構築)をやり、最後に実(投稿・売上)を収穫する。このサイクルには最低3ヶ月かかります。
特に「商戦期(クリスマス、バレンタイン、母の日)」は、大手企業が有力インフルエンサーの枠を取り合います。後手になると、誰にも相手にされません。
この記事では、1年間のギフティングスケジュールを可視化し、いつ何をするべきかの「仕込みカレンダー」を公開します。

年間の「3大商戦」スケジュール
これら3つは、絶対に外してはいけない山場です。
クリスマス商戦(最大)
インフルエンサーのリストアップ完了。
打診開始。「クリスマス限定コフレの先行モニター」としてオファー。
商品発送。街がクリスマスモードになる瞬間(11/1〜)に投稿してもらうのがベスト。
ブラックフライデーに合わせて「クーポン」を配布し、刈り取り。
駆け込み需要へのラストスパート。
バレンタイン商戦
年末の挨拶と共に、バレンタイン企画の打診。
商品発送。最近は「友チョコ」「自分へのご褒美」需要が高いので、チョコ以外のコスメや雑貨も狙い目です。
母の日商戦
新生活シーズンが落ち着いた頃に打診。
ゴールデンウィーク前に投稿してもらい、「帰省時の手土産」需要を喚起します。
閑散期(ニッパチ)をどう埋めるか
2月・8月は売上が落ち込みがちです。ここでギフティングを活用し、需要を「捏造」します。
- 8月(夏枯れ):「夏バテ対策」「日焼けのアフターケア」「帰省ブルー(疲れ)を癒やす」といった、ニッチな悩みに寄り添う商品を配ります。
- 2月(寒波):「乾燥対策」「温活グッズ」を配り、春の新生活に向けた「準備期間」として訴求します。

「福袋」という劇薬
お正月の福袋は、在庫処分のチャンスでもあります。しかし、中身が見えない福袋をインフルエンサーに送るのは危険です。
「鬱袋(ゴミ)が届いた」と晒されるリスクがあるからです。
- インフルエンサーには「中身を公開した状態(ネタバレ福袋)」を送ります。
- 「中身はランダムですが、〇〇さんの分は特別にこれらを入れました」と伝え、満足度を担保します。
- 投稿では「何が入っているかはお楽しみですが、私のにはこれが入ってました!」と紹介してもらい、期待感を煽ります。
季節イベントがない商材はどうする
SaaSや業務用品など、季節感のない商材の場合、「決算期」や「新生活」に絡めます。
- 3月・4月:「新入社員応援」「オフィスの引っ越し」
- 6月・12月:「ボーナスで買うべきもの」
- 9月:「下半期の気合い入れ」
日本のビジネスマンは「節目」に弱いです。無理やりにでも節目を作り、ギフティングの口実にしましょう。
よくある質問
アパレルやメイク用品、お菓子ならアリですが、期間が短すぎる(10/31当日のみ)ため、費用対効果は低めです。ハロウィンに乗っかるよりは、直後のクリスマスの仕込みにリソースを割くのが賢明です。
作るべきです。中身が同じでも、外箱に「桜」のシールを貼るだけで、春の新作として投稿してもらえます。インフルエンサーは「新しい絵(Photo)」を求めているので、パッケージ変更は最強の投稿モチベーションになります。
災害時はSNSの空気が重くなるため、ギフティング投稿はストップ(延期)をお願いするのがマナーです。「空気の読めない企業」と認定されると、長期的なブランド毀損に繋がります。

まとめ
- インフルエンサー選定から投稿まで最低3ヶ月のリードタイムが必要
- クリスマス、バレンタイン、母の日の3大商戦は外すな
- 閑散期(2月・8月)も無理やり需要を作り出す工夫が大切
- 福袋は中身を公開した上でインフルエンサーに送る
- 季節感のない商材も「決算期」「新生活」など節目を利用する
カレンダーを制する者は、ギフティングを制します。消費者が「欲しい」と思う一歩手前で、インフルエンサーの投稿がタイムラインに流れてくる。この「偶然の出会い」を演出するために、マーケターは数ヶ月前から種を撒き続けるのです。
今、この瞬間も、優秀なマーケターは「半年後の商戦」の準備をしています。あなたは今日、何の種を撒きますか?
